2011年度 年頭所感

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 新年おめでとうございます。今年は何かと重大な課題、進路と取り組む年になりそうだ。最も大きな国の選択としては例のTPP問題がある。食糧安保ともいわれる食糧の自給率を確保しながら、産業界の自由化、発展を国際競争の中で勝ち得なければならないということである。

私ども建設業も否応なくこういった流れの中で商売をすることになり、企業の設備投資など産業界の盛衰には大きく影響されていくはずだ。農業をつぶしてはいけないし、本当にむつかしい選択になる。

 一方、国の財政問題よりくる個人個人の生活とのかかわりである年金を考えてみる。ますます高齢化社会になる中で、年金頼りだけの老後は成り立たないと私は思っている。この点をはっきり自覚してかかるべきだと思うのである。官民ともに所得を落として定年を延長する。または、定年後独立してなんらかの所得を得る人生設計を初めから持つ。田中真澄先生に言わせれば、人生二度生きるということにもつながる考え方。いろいろ問題はあるが、物価のきわめて安い海外の島国等へ行ってそこで老後の生活を送る。この辺が考えられるところであるが、最も堅実なのは、定年後も稼げるように現役の時代にしっかりとした専門的な能力や実力を養成しておくことが肝要と考える。年金はかつての三百万円の時代から百万円の時代になる訳で、差額は自分で稼ぐ準備をしていくしかなく、年金が打ち出の小槌のように出てくることはないのである。この延長線になるのであるが、住宅においてもリフォームどまりになるケースも多くなるであろうし、都市インフラ等においてもメンテ分野、さらに環境分野などが中心になると思う。

 その国の成熟度は概ね、下水道普及率と比例するといわれているが、日本も急速に高齢化成熟型社会に入ることを自覚せねばなるまい。この構造的なものからいろいろな社会現象に波及していくことになる。文化の向上や、生活のゆとり、個人個人の豊かさ社会としての安心感、安定感のようなものが本来成熟型社会では創りやすいはずではあるが、その反面様々な厳しさやむつかしさも伴って来るのである。ここをどう乗り越えていくか、どう知恵を出し努力していくかが真に問われる世の中になるのだろう。

 このようなトレンドを充分考えふまえて、企業の経営のあり方や個人の人生設計を創る段階に確実に入ってきていると思う。失われた十年二十年と言われて久しいが、これからも失われた三十年という方向へ行くならば、これが当たり前の世相になる訳で、日本における成熟型社会の一つの現象というように理解すべきではないだろうか。

 今年一年、建設業においても多難な年になろうかと思うが、全社一丸となって知恵をしぼり、難局を切り拓いて参りたい。皆様のこの一年のご健勝とご活躍を心より祈念し、年頭所感と致します。