天竜高校新築工事を終えて

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 本工事は天竜林業高校・二俣高校・春野高校の3校が合併することに伴い、天竜林業高校に新校舎を建築する工事です。建物は普通教室棟・多目的体育館・実習棟・外構工事他8つの工事に分かれており、中村建設は中心となる3つの工事を担当しました。工期は平成24年12月29日から平成26年2月28日まで1年3カ月の長丁場でした。工事現場は主要道路から少し入った場所で、周りは住宅、道も狭く、敷地もこの規模の建物を建てるには余裕のない狭小地でした。工事を開始する前の近隣説明会では地域住民の心配する言葉を聞き、改めて住民負担の少なくなるような現場運営が必要であることを再認識しました。これらのことを踏まえ私が最初に行ったのはこの現場全体の運営ルールの作成でした。中村建設を含む5つの建設会社が同時に施工を行うため基本となるルールがないと、互いがバラバラに段取りを行い収拾がつかなくなります。それが最終的に住民の負担増や手戻り・コストUPにつながります。いかにスムーズに全体工事の現場運営を行えるかが、この工事のレベルを左右することだと肝に銘じ計画および実施してきました。全体工期を通して、これだけの規模の工事なので、住民負担が少なかったとは思いません。定期的な近隣への聞き取り調査を行うなどコミュニケーションを図りながら工事を進めてきましたが、大きな苦情や事故等もなく工事を終えることができました。

 その中で私と袴田真伍君が担当したのが普通教室棟他建築工事です。工事規模は鉄骨造4階建て、建築面積1737㎡、延床面積5480㎡、普通教室・昇降所(普通教室36室・化学室・美術室・書道室・図書室・生徒昇降所他)渡り廊下B・Cで構成された建物です。外壁は押出成形セメント板、内装は壁に杉羽目板、床は桧フローリング材と県内産木材をふんだんに使用しているのが特徴です。

 躯体工事では建物を支える杭の施工精度から基礎躯体・鉄骨の精度のチェックを繰り返し、また耐火被覆・耐火壁の確実な施工等、構造的な品質の確保に注意してきました。特に杭頭補強筋では普通に施工したのでは納まらない鉄筋を、構造監理者と提案・打合せを重ね乗り越えてきました。

 仕上げ工事では木材という、梱包を開いて並べてみないとどんな模様のどんな色の材料が入っているかわからない材料をいかにうまく使用して仕上げていくかが重要となりました。特に壁の杉板は白・赤・赤白混合と同じ木からでも色味が分かれ、貼り方次第ではバランスの悪い仕上がりの壁となってしまいます。全体の使用量が多いためすべての材料を並べて識別することはスペース的に不可能なため、色の割合を予測した中で廊下および共用部に白を、各教室に赤・混合をメインに使用する等のルールを作り施工しました。

 今年度は消費税が変わる年で、世の中は3月末工期の工事が集中し、作業員がなかなか確保できない中、各協力会社と共に工程・品質・安全に注意を払って施工し、3月14日に無事完成引渡しを迎えました。

 建物は国道152号線から少し入ったところで見えませんが、ナビで《天竜林業高校》と検索すれば出てくると思います。天竜に行く際は今春開校する静岡県立天竜高等学校の新校舎をぜひ見ていただければと思います。

担当:建築本部 小粥 正浩