浜松市指定有形文化財『瑞雲院山門』保存修理工事

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 天竜二俣から峠を越えて春野町に入り気田川に架かる橋を二度渡ると、秋葉山瑞雲院があります。山門は楼門様式です。二階建て(重層)になった門で、下層に屋根がなく、上層に勾欄付きの縁を巡らせたものを言います。

201409_06-02.jpg 棟札によると寛延三年(一七五〇年)の上棟なので、築二百六十四年経っていることになります。木材の腐朽と地盤の不同沈下があったので、全解体して杭を打ち、基礎を補強して木材の修理を施しながら復元をする工事でした。文化財の保存修理工事は原則として創建当初の姿に戻します。部材の一つ一つを調査して、そのまま使えるもの、接ぎ木などをすれば再利用できるもの、腐朽が激しくて新品に替えるものを仕分けしながら復元していきました。格天井に花と鳥の絵が描かれているのですが、裏側には署名があり年齢は十九才の絵描きと分かりました。

 解体中には、今のような揚重設備がないのにどうやって組立てたのだろうと考えたり、様々な工夫の跡が分かったりと先人の技術の高さを知りました。また六本の柱は礎石、礎盤という石の上に載っていて、太い欅の柱と梁と貫が組み合わさっているだけなのですが、耐震補強をする必要がないとの構造計算結果が出たのには驚きました。重い瓦屋根の荷重が耐震上有効に働いているとのことでした。

 二十一ヶ月の工期でしたが当時の人たちと会話をしながらの工事となり、貴重な体験をすることができました。

担当:建築本部 黒田 淑明