金子コード浜松工場 roseroc 新築工事

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 金子コード株式会社様の浜松工場敷地内(浜松市北区細江町)に平成28年7月に完成した社員食堂兼多目的ホール「roseroc(ローズロック)」を紹介します。

 金子コード様は、電線と医療系カテーテルの製造を中心に、中国にも生産拠点を置き、グローバルな展開を行っています。また、昨年に当社が施工させていただいた「HARUNO CAVIAR VALLEY(ハルノキャビアバレー)」では、チョウザメの自社養殖に取り組むなど、新たな事業にも力を注いでいます。

201610_01-02.jpg 当建物は昼食時には250人、集会時には300人を収容する15m×15mのバンケットホールを中心に、テラスカウンター席、キッチン、VIPルームなどの個室と2つの中庭を一筆書きの壁で巻き込んだ450㎡の鉄骨造の平屋です。連続した三角形の大きな開口が特徴的な壁は、多様な空間に連続性と関係性をつくり出し、上空から見おろすとバラの花のような造形をしており、「roseroc」という名前の由来にもなりました。

201610_01-04.jpg 外壁の煉瓦タイルが印象的で、内壁にも同じタイルが使用されており、タイル高60mmに対して40mmという大きい目地は、横のラインを強調し、一筆書きの壁が造り出す内外空間の連続性をより効果的に演出しています。煉瓦タイルは特注で焼いたオリジナルのもの5種類を乱張りにしています。窯変によるグラデーションが美しいタイルは、一つとして同じものはなく、様々な個性を持った多くの社員が集まりながら、大きなものつくり上げていくという、金子社長と意匠設計の共通のイメージを表現しています。

201610_01-03.jpg そして、この特徴的な造形を可能にした構造体が「鉄骨フレーム」です。その大部分が煉瓦タイルなどの仕上げに覆われて、完成した今となっては見ることができませんが、垂直な柱がほとんどなく、開放的で大きな開口部のアクロバティックな造形は、緻密な構造設計の為せる業です。全ての鉄骨部材を組み上げ固めた時点で剛性が発揮できるという構造のため、鉄骨建方時には支保工を設置する技術的工夫が必要でした。今回の施工において特に力を入れた工程の一つです。

  難しい納まりが多く大変でしたが、無事完成できたことは、設計および施工サイドとの綿密な打合せとブラッシュアップの積み重ねによるものであると思っております。とても充実した貴重な経験となりました。

担当:建築本部 袴田 啓紀