(国)473号新々原田橋下部工工事(右岸橋台工)

工事名 平成29年度防災・安全交付金事業 (国)473号新々原田橋下部工工事(右岸橋台工)
竣工年月 平成30年 9月
施工場所 浜松市天竜区佐久間町川合地内

本工事は、2015年1月に土砂崩れにより落橋した原田橋の架け替え工事となります。原田橋は地域住民の大切な生活道路であり落橋後は迂回に2時間以上を要しており、大雨等の影響で上流の佐久間ダムが放流されると、河川内道路が使用できなくなることで迂回せざるを得ない状況に陥ります。そのため一刻も早い工事の完成を地元住民から望まれていました。
施工概要は急峻な法面を掘削・土留施工にて床付し、鉄筋コンクリート造の箱式橋台(11.5m×10.0m×高さ20.8m)を築造する工事です。一般的な橋台は道路に接して施工されますが、当現場は橋台の前後に橋を架けるため道路から離れた橋脚のような構造となっています。また、原田橋に添架する電気・電話線等のインフラ設備を橋台に貫通させるために、構造物の中心を空洞にして部屋を設ける設計です。
基礎工事として、支持地盤まで深礎杭(φ3.0m、L=13.0~16.0m)を4本を施工しました。岩盤が硬くバックホウでの掘削が困難な深度においては発破も併用。発破作業時は非常に大きな騒音が発生するため、防音のための鉄板蓋や仮囲いを徹底することで周辺環境に配慮しました。16.0mの高さをタラップで何度も往来する為、毎日が疲労や筋肉痛との戦いでした。
橋台のコンクリート施工時は特にひび割れ抑制に努めました。鉄筋コンクリートに大きなひび割れが発生すると、水や空気、塩分等の浸透により耐久性に悪影響を及ぼします。
これを防ぐために実施した対策としては1.温度応力解析によるひび割れ指数の算出 2.コンクリートの配合変更及び膨張材添加 3.開口部にひび割れ抑制繊維ネット設置 4.型枠脱型後の躯体に被膜養生剤散布 5.湿潤養生に二重マット使用 6.ひび割れ誘発目地の設置 7.透明な型枠材の使用 等が挙げられます。これらの対策が功を奏し、有害な貫通ひび割れの発生を防ぐことができました。