なかけんの歩み

NAKAKEN 60th aniversary

中村建設株式会社は、
おかげさまで60周年。
今までも、そしてこれからも。

2000 → 2014

(平成12年〜平成26年)

コアジサシの営巣地を造成

環境省自然環境局長賞受賞
絶滅危惧種の渡り鳥コアジサシの営巣を守るため、天竜川の造成工事などの保護活動で環境局長賞を受賞。
社員の想いがNPO法人の立ち上げにまで発展した。

1997(平成9)年、弊社の埋め立て工事現場でコアジサシの営巣が発見された。当時の現場監督・平井美次(現取締役土木本部長)は、「静岡県渡り鳥研究会」の要請を受け、ヒナが巣立つまで工事を中断することを決意。以来今日に至るまで、コアジサシの営巣を保護するため、天竜川河口の中州をほぼ無償で造成している。その活動が認められ、2004(平成16)年、環境省自然環境局長賞を受賞するとともに、翌年NPO法人「地域環境と自然を愛する会」を発足。中村建設のキャッチフレーズである「環境のリーディングカンパニー」は、コアジサシの保護活動がきっかけとなったのだ。

絶滅危惧種の渡り鳥コアジサシを救え!

1997(平成9)年、磐田南高校の教諭で「静岡県渡り鳥研究会」に所属する北川捷康先生が、中開にあった中村建設が管理する建設発生土処分場でコアジサシの営巣を発見した。
 コアジサシは、オーストラリアから赤道を越えてやってくる渡り鳥で、日本では4月から9月頃まで見ることができる。かつては、全国で数百を超える繁殖地があったが、地球温暖化による環境の変化などに伴い、繁殖数が激減。100年後にはいなくなる恐れがある絶滅危惧種にも指定されている。
 そんな稀少なコアジサシを保護したいと、北川先生は中村建設の現場監督・平井美次(現取締役)に「4か月したらヒナが巣立って行きます。その間だけ、工事をストップしていただけないでしょうか」と懇願したのだった。
 もともと、自然保護や環境問題に造詣が深く、ビオトープの施工監理者の資格も取得していた平井は、二つ返事で承諾した。作業工程を変更することで、ヒナの巣立ちを成功させようと考えたのだ。平井は当時を振り返ってこう話す。
 「森林を伐採したり、ゴルフ場を開発したり、どちらかといえば、建設業は破壊産業です。そんな中、中村建設はダイオキシン、アスベストといった建築有害物質への対策、土壌汚染、建設残土の再利用などにいち早く取り組んできました。少しでも社会貢献になることなら、積極的に協力しようという社風がすでに根付いていたので、迷いはなかったですね」。このとき、コアジサシの保護活動が、後の中村建設のイメージアップに大きくしようとは、誰が予測したであろう。

絶滅危惧種コアジサシ
絶滅危惧種コアジサシ
環境庁自然環境局長を受賞!

それから4年後の2001(平成13)年、今度は天竜川河口の中洲でコアジサシの営巣地(コロニー)が発見された。
 コアジサシが産卵するのは、中州や砂浜のような一面に小石が敷き詰められた場所だが、四輪駆動車の侵入によって営巣が妨害される。また、コアジサシのヒナはカラスや蛇などの外敵から身を守るため、小石や砂に近い保護色で危険が去るのをじっと待つという習性があり、これに気づかない車両に踏みつぶされることも多い。さらに、コアジサシは石の間に巣を作るため、大雨が降ると卵が巣ごと流されてしまうのだ。
 「毎年同じ場所に卵を産んでは流される、そんな悲劇を見ていられないんです」と、北川先生から相談を受けた平井は、大学教授ら有識者からコアジサシの生態を学び、コアジサシのコロニーを守るため、護岸工事現場周辺の植物の除去作業、冠水を防ぐ造成工事、一番の天敵である車両の乗り入れを防止する水路掘削工事をほとんど無償で行った。
 平井たちの献身的な努力が実を結び、コアジサシが砂利の上に身を下ろしてヒナを育て、群れをつくって川面を軽快に飛ぶ姿は、天竜川の夏の風物詩として親しまれるようになった。
 毎年のこうした自然保護活動が評価され、2004(平成16)年には環境省から自然環境局長賞を受賞。これを機に、現在の中村建設の代名詞である「環境のリーディングカンパニー」というキャッチフレーズが定着することになった。また、この自然保護活動は2009(平成21)年に、県下943チームの中からグランプリを受賞した、STOP温暖化アクションキャンペーン「CSR・エコオフィス部門」においても高い評価をいただいた。

企業の枠を超えてNPO法人の発足へと発展

会社創立50周年の節目を迎えた際、「こんな意義のある社会貢献活動をしているのだから、もっと広くPRするべきではないか」という社内外からの声が高まり、2005(平成17)年、NPO法人「地球環境と自然を愛する会」が発足した。
 理事長に就任した平井は、「会社の名前で行うと営利目的と捉える人もいるので、より多くの人に参加してもらうために法人化しました」と謙虚に語る。
 2006年からは、市の道路、河川里親制度にも賛同し、会社周辺の道路清掃も始めた。こうした地域のクリーン作戦は、一部の有志しか参加しないケースが多いが、中村建設は毎回100名もの社員が参加し、近隣住民と気持ちのいい汗を流している。

個人の趣味、生き甲斐をビジネスに活かせる社風

コアジサシの保護活動に長年携わってきて、平井が得たものとは何だろう?「総合建設業でここまで大規模に取り組んでいる企業は珍しいので、話のきっかけづくりになりますね」と穏やかな表情で語る平井。大学の職員に会社パンフレットを見せると、「こんなことにも取り組んでいるのですか。視野の広い建設会社なんですね」と驚かれることも多い。
 そんな平井の姿を見て、意思を受け継ぎたいとう若手社員も現れてきた。土木部工事グループ長の金田学は、橋の構造についての知識とスキルをアップしたいと、岐阜大学に1か月間の短期留学を果たした。子どもの頃から憧れていた橋づくりのプロフェッショナルになるのが目標だ。「17年前、コアジサシの営巣現場にたまたま平井さんがいて、その機を逃さずに掴んだことが凄いと思うんです。私もそれを見習いたいです」。
 個人の夢、ライフワークを尊重し、それが仕事に活かされていくところが中村建設のキャパシティの広さであり、「組織の中で個の力を存分に発揮させる」という伝統の社風ならではと言えるだろう。

2000(平成12年)

6月3日
第1回クリーン作戦・地域奉仕活動を実施。

6月16日
創立45周年(創業80年)記念式典を挙行。

12月28日
ISO14001を認証取得。

創立45周年(創業80周年)記念式典
創立45周年(創業80周年)記念式典
ISO14001認証取得
ISO14001認証取得

2001(平成13年)

8月13日
インターネット通販の「チャイナマート」オープン。

2002(平成14年)

12月20日
名古屋支店ISO14001:1996認証取得。

2003(平成15年)

5月27日
中村社長は、㈲静岡県産業環境センター理事長に就任。

2004(平成16年)

1月
浜名湖花博歓迎モニュメントデザインコンペに当社案が採用される。

5月16日
野生生物保護功労者として、平成16年度環境省自然環境局長賞を受賞

2005(平成17年)

6月16日
NPO『地球環境と自然を愛する会』設立。

6月18日
創立50周年(創業85年)記念式典を挙行。

2006(平成18年)

7月28日
マレーシア農業副大臣一行来社。

11月19日〜23日
中村社長らマレーシア訪問。

2007(平成19年)

7月1日
N・Sエンジニアリング設立。

2008(平成20年)

7月
浜名湖地域舟運都市構想研究会発足。

11月2日
中村信吾社長 黄綬褒章受章。

2009(平成21年)

6月4日
本社・支店(名古屋・東京・大阪)全部門を対象に、ISO9001・9002を認証取得。

12月
中村社長、ISO14001環境マネジメントシステムを構築し、環境保全を積極的に推進すると宣言。

2010(平成22年)

6月
産業廃棄物の適正処理推進功労者として県知事表彰受賞。

2011(平成23年)

4月15日
既設構造物の土間コンクリートの補修方式で特許4722691号取得。

2012(平成24年)

11月11日
平成24年秋第36回全国植樹祭にて森を育てるひと部門で県知事表彰。

2013(平成25年)

9月25日
きりやま太陽光発電所発電開始。

2014(平成26年)

1月22日
平成25年度 浜松市新エネ・省エネ対策トップランナー〈エコ事業部門〉認定。

7月2日
東北営業所開所(所長 松本政也)。

11月15日
創立60周年(創業95年)記念式典を挙行。